2014年5月6日火曜日

パーニニの勉強についてのQ&A

先日、パーニニの勉強方法についての質問がありました。答えと併せて、ここでシェアします。


= パーニニ文法の伝統的な勉強の過程はどのようなものでしょうか? =

パーニニスートラを理解する過程において、
スートラの番号順に勉強しても、あまり理解できません。
単語の形(raama + su=raamaHみたいな)を導き出すための
ステップ(declensionやconjugationなど)を通してスートラを勉強する方法が、
kaumudi-granthaと呼ばれる本の中で扱われています。

kaumudi-granthaには、
約4000あるパーニニスートラの全てを扱っているSiddhantakaumudi、
そしてそれの縮小版である、laghu, madhyama, saraなどがります。

普通はまず、laghuをしっかり勉強してから、Siddhantakaumudiに進みます。
勉強する過程で、スートラを番号順に暗記したり、kaasikaaも併せて勉強したりします。

文法を勉強に進む前に、普通は、自分の家系に属しているヴェーダと、
ギーターや、サンディヤーヴァンダナ等の祈りのシュローカなどを
ある程度暗記するようになっています。

サンスクリットの音を耳から入れて、頭と喉に刷り込むという過程を通してから
文法を勉強すると、文法の理解も、ヴェーダやギーターなどの文献の意味の理解も、
両方とてもスムーズに進みます。

逆にその過程なしに、文法の勉強をするのは、
サンスクリット文献を学ぶ伝統に沿っていないので、実りが少ないように伺えます。


= Laghusiddhaandakaumudiの勉強にはどのくらいの時間がかかるのでしょうか? =

毎日1時間の授業+予習・復習で、うまく行けば1年間で勉強できます。
いろいろな人を教えてきましたが、かなり速い把握力と記憶力の持ち主でないと、
このペースでしっかり理解してもらうのは難しいです。

余談ですが、リシケシでは皆(ブランマチャーリーとかサンニャーシンとか)
シャーストラを勉強する前には、まずlaghuを勉強するのですが、
様々な障害物が出てきて1年で勉強を終わらせることが出来る人は稀です。
病気になったり、住んだり勉強したりする場所が使えなくなったり、故郷に帰ることになったり。。。
サンスクリットはDevabhashaと呼ばれるだけあって、たくさんのPunyaが必要なようです。